愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第36回。前編は、俳優の溝端淳平さんが免許取得やドライブの思い出を振り返る!
初マイカーの思い出
「やっぱり、カッコいいですよね。都内でもあまり見かけないから惹かれるんです」:
こう言いながら、俳優の溝端淳平さんは最新のBMW X6に近づいた。今回は溝端さんのリクエストで、最新のX6を用意した。
「クーペとSUVの要素があって、スタイリッシュで格好いいというコンセプトは昔から普遍ですね」
溝端さんの言う通り、2008年に登場した初代X6は、クーペとSUVが融合したデザインが特徴だった。いまでこそ“クーペSUV”という存在は一般的になったけれど、発表された当時は斬新で、BMWはSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)という新しいスタイルのクルマを発明したとアピールした。
「高校2年生の17歳で、『第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞し、18歳の春に上京して仕事を始めました。それまでは和歌山で暮らしていて、18歳になったら全員が運転免許を取って1人1台クルマを持つのが当たり前というような文化だったんです。だから僕も18歳になったらクルマに乗る気マンマンだったんですけど、事務所の社長が結構スパルタで(笑)、免許を取る暇があったら芝居の勉強をしろ、と、言われていました。どのみち新人の収入ではクルマは買えないので、一度クルマのことは忘れて仕事に打ち込みました」
18歳でデビューした溝端さんは、ドラマの主演やバラエティ番組の司会を務めるなど、あっという間にブレイク。21歳になると、映画『赤い糸』で日本アカデミー賞優秀新人賞を受賞する。
「23歳の時、そろそろいいんじゃないか? と、思って(事務所に)お願いしたら、そこでようやく許可が下りて、自動車学校に通い始めました。18歳の若い人たちに混じるのがちょっと恥ずかしかったけれど、うれしかったですね」
ドライブで記憶に残っている目的地を尋ねると、「2013年当時、『35歳の高校生』(日本テレビ)というドラマに出ていたんですよ」と、切り出した。
「僕は先生の役で、実際の年齢はそんなに離れていないんですが、教え子の役に菅田将暉くんとか山崎賢人くんがいたんです。彼らを乗せて、富士急ハイラインドとか御殿場のアウトレットに行ったことを覚えています」
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「住んでいたマンションの駐車場に停められる4ドアセダンを選びました」
そこからいくつかのクルマを経て、ミドルサイズのSUVを選んだ。溝端さん、「快適だし、静かで燃費も良くて文句のないクルマです」とのこと。
そして、溝端さんは最新のBMW X6にもう一度視線を移した。
「こんなに格好いいのに日本ではあまり見かけないですし、いつか乗りこなしてみたいですね。」
では、次の愛車を探すにあたって、普段はどのようにクルマを使っているのだろうか。
「仕事の移動は事務所のクルマなので、自分のクルマは100%プライベート用です。ゴルフにハマっているので、ゴルフに行けるクルマがいいですね」
なるほど。ということで後編となる次回は、彼の次期愛車を、GQ編集部がプレゼンする。どんなクルマが溝端さんの心に響くのだろうか。
溝端淳平(みぞばたじゅんぺい)1989年6月14日生まれ、和歌山県出身。「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で歴代受賞者の中で最多となる40社の芸能事務所からスカウトを受け話題に。デビュー後はドラマ・映画・舞台と多くの作品に出演している。近年では、NHK大河ドラマ『どうする家康』(2023年)、テレビ朝日系『何曜日に生まれたの』(2023年)、テレビ朝日系『恋する警護24時』に出演。現在公演中の舞台シスカンパニー公演『カラカラ天気と五人の紳士』に出演中。
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文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・Ryo スタイリング・黒田領 編集・稲垣邦康(GQ)
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